彼氏の態度が変わってしまったという場合、釣った魚に餌をやらないという言葉があるように付き合っていくうちに徐々に態度が変わっていくのが一般的ではないでしょうか。
付き合い初めの頃はなんとなく自分の素を全部さらけ出すのは気がひけて、色々気を配ったりがんばっておしゃれしてみたりという事を楽しんで、日が経つにつれて相手に慣れてくると良くも悪くも等身大の自分がだだ漏れになっていくものかと思います。
要は猫をかぶっていたという事になるのですが、猫をかぶらなくても良い状態になるというのは相手と簡単には離れる事がない関係が構築され、この相手になら内側に隠していたものを出しても大丈夫だろうという甘えから来るものだと思います。
このパターンならなるほど納得です。
実際私も付き合いが長くなるにつれてちょっとした事でいらいらしたり言葉遣いが悪くなったりして、付き合う前には見せていなかった部分が大いにあります。
こうしたものと彼とが違うのは、彼の場合徐々に変わっていったのではなく突然に、しかも1日での変化という事。
こういった態度の変化というものは通常恋人や配偶者のみに向けられる事がほとんどだと思いますが、恋人である私に対してだけではなく友人達に対しても同様に変わったという事。
具体的にどういう風に変わったのかというと、まず話す言葉が変わりました。
誰しも無意識に(時には意識的に)言葉を選びながら会話をしたりコミュニケーションを取っていると思うのですが、その人の話す言葉にはその人の思考や人格が表れていると思います。
以前の彼は話す言葉に温かみや思いやりを感じられたのですが変わってからはそっけなくて他人行儀で批判的な言葉のイメージになりました。
(これ今相手に言ったら相手傷つくやろ)って言葉とか雰囲気とかタイミングがあると思うのですが、そういうのおかまいなしに人と会話するようになりました。
そして他人を否定する事が多くなりました。
私は今まで彼が人の事を一方的に悪く言っているのを聞いた事がなく、そういうところが良いなと思っていました。
ある時共通の知り合いがオバケが見えると言って、自分がオバケに遭遇した時の話をしていたのですが私はその話を聞いてなんか作り話っぽいな〜と思っていて、後で彼に「さっきの話絶対嘘やろ」と言ったのですが、彼は「まぁ〇〇(知り合い)にはほんまに見えてるんかもしれんしなー」と言っていて、むやみに人を疑わない彼が素敵だと思ったこともありました。
ただ、なんでもかんでも人の話を鵜呑みにするのでは無く自分がおかしいと感じた時にはきちんと相手に伝えて解決する能力は持ち合わせている人でした。
そんな彼が変わってからは自分と違う考え方の人を頭ごなしに否定するようになりました。
まるで自分の考えが一番正しいと言わんばかりに。
それから、他人に対する配慮というものが無くなりました。
変わってからの彼は相手がどう思おうが関係無く、自分さえよければ良いように見える事が多くなりました。
“相手の立場に立ってものを考える”というのは相手の気持ちや背景を慮るということだと思うのですが、彼は今まで私が出会ってきた人の中で最もそういうことが自然に出来る人だと思っていました。
本当に彼の共感能力は素晴らしく、とても尊敬していたのです。
人を変えようとせず、物事について気分が明るくなる側面を見て、見返りを求めない愛情や思いやりをたくさん持っていて一緒にいると穏やかで温かい気持ちになるような人でした。
例えば、デートの途中に急に私に久しく会っていなかった友人から連絡があって近くに来るという事でデートをやめて友人と会う事を優先した(既に彼とその日の目的地に向かっていた)にも関わらず「久しぶりなんやろ、楽しんでおいで」と言って送り出してくれたり、学生時代の元彼が地元仲間という事もあり仲が良くてたまに会っていたのですが(男女関係は一切ない)、そういう事も含め一般的に見ると反対されるような事が他にもいくつかありましたが私がする事について咎めるような事はせず、私が仕事で遅くなる時はご飯を作っておいてくれて駅まで迎えに来てくれたり、私が行きたいと言っていた場所を覚えていてくれて連れて行ってくれたり他にも書ききれないほどの恩を感じる出来事がありました。
最後の変化は感情の起伏が激しくなり特に怒りの感情を表に出すようになった事です。
それまでは怒る事自体滅多に無く、稀に怒った時は黙ったり無視したり静かな怒りという感じだったんですが、変わってからは怒鳴ったり軽く手を出される事もありました。(DVというほどのものでは無いです。腕を抑えられたり首ねっこつかまれたり。私もやり返すタイプなのでこの時期のケンカは本当にカオスでしたw)
今まで大声を出して怒った事も手を出してくるなんて事も一度もありませんでした。
彼が泣くところを見たのも変わってから初めての事でした。
一体なんで急にこんな事になっているのか、訳がわからず泣きたいのはこっちでした。
帰国して連絡を取った時に感じた違和感の通り、彼はその時点で既に突然変異を起こしていたのですがそのまま一向に元の彼に戻る気配も無く、途方に暮れた私は彼の突然変異についての原因探究を始める事にしました。
コメント